アクトオブキリング
公開の翌週に見てきました。最初、笑ってしまった自分を見終わった後にすごくせめましたねぇ
ラストに向けて、とにかく衝撃です。
私が説明するより、気になる人はまず、町山さんの解説を聞いてもらった方がいいので、まずはこちらをお聞き下さい(笑)
町山智浩が映画『アクト・オブ・キリング』を語る - YouTube
ここでも町山さんが語っているんですけど、私も2014年暫定第一位です!!!!
DVDが出たら絶対に購入して、年に一度は見直したい映画です。
というか私、インドネシアで100〜200万人規模の大量な虐殺が行われていたこと知らなかったんです。だから最初、「うわ〜このおじさんたちバカだな〜こんな真剣に演技とかしちゃって面白いわwwww」なんて笑いながら見ていたんです。
でも見終わって、映画館を出てから数分、自分に何が起こっているのか理解できなかったし、こうやって今日まとめるまで「あぁ見てしまった」と受け入れるまでにどーーーしても時間がかかりました。
以前、私は「永遠のゼロ」も見たんですが、なんて美化されている映画なんだと感じました。特攻隊こそ全て、彼らが日本を救ったんだ、彼らの精神・生き様こそ全て、戦争万歳!くらいな勢いを感じて、twitterで教科書的とつぶやいていました。
「永遠のゼロ」サイコー!と思っている人にこそ、アクトオブキリングを見て欲しい!!!
以下、ネタバレもあります。
評価:5点!!!!!!!!!!!!(他の映画と比べられない)
感想
・「これって本当にあったことなの?」と途中でノンフィクションの話を見ているはずなのに、フィクションのように見えてしまって混乱!
・未だにインドネシアってこんな生活しているんだ。。。という事実にも驚愕。途中、軍の子たちが「僕たちは下僕〜」みたいに歌うシーンがあるんだけど、ガチで引いてしまった。。でもこれが現実なんですね。
・「生きる」とか「死ぬ」とかを超えるこの感情を言葉に出来ない。でも私が今、生きているってことは、こうやって戦ってきた人から生き残っているからで・・とか考えるとめちゃくちゃすごいことなんだなとか思った。もちろん虐殺があったのは、インドネシアだけじゃなくて、日本だって一揆とか戦いもあったし、もしかしたら私の先祖は中国とか韓国かもしれないし、そんなことを考えているとなんて安心な国に生きているんだとも思った。
・プレマン=フリーマンという存在だった人たちが悪いのではなくて、虐殺しなくてはいけなかった社会情勢に問題意識を持たないといけないんだよね。。。途中から、主役のアンワルおじさんがかわいそうになってきちゃった。確かに虐殺は悪いことだっていうのはわかるんだけど、なんで彼らがこんなことをしなくてはいけなかったんだろうか・・・とかもう自分の気持ちの処理が追いつかなくなります。要注意!!!(笑)
・スルヨノさんっていう、アンワルおじさんの家の近所にすんでいる人が、笑顔で中国人のおじが殺されたことを語るシーン。そしてその後、自分が虐待を受け、プレマンたちが「俺たちがやったことは正しかったんだ」と話すのを聞くシーン。本当に生き地獄とはこのものだ・・と思った。私だったら耐えられない。
・都会に住む、アディおじさんが一番精神が安定しているのかもしれないと思った。
・これを差別だとか、国の問題だとか、人殺しはいけないとかそんな簡単な言葉で片付けてしまえる人はいないと思う。平和な日本に住んでいるからこそ、色々と考えさせられてしまうし、ひとつの「これ」という答えが見つけられないんだと思う。
・ラスト、アンワルおじさんが最初にいって踊っていた屋上に再度訪問するシーン。人間のあんな姿は初めて見た。罪を認めた時、心とからだって分裂してしまうんだな〜と感じました。
・映像のカラーの使い方が良かった!(ちょっとポジティブな感想もw)
・笑っちゃう所は多々あるんです。街中で母親役をオーディションする時なんかもプレメンは英雄だからちょっと勘違いしてる感じもかわいいし、女装して撮影の間待っている所なんかも笑えます。
・そうそう笑える所はあるから、覚悟は必要だけど、とにかく観に行って欲しい。
以上!
まだまだ話したいことあるんですよ、でも書けないんです(笑)書けないというより言葉に出来ない気持ちですね。
世界にはまだまだ私の知らないことであふれているんだなっていつも思うんだけど、こんなに痛感した映画はなかったです。
この映画を通じて「9・30事件」も知ったし。本当バカですみません。。。
とにかく「えー怖いやつでしょ?」「差別とかの話でしょ?」とか言っている場合じゃないっす。
これを見て、考える時間をつくって、たくさんの人に見てもらうだけで、明日の世界が変わるかもしれないと思いました。
私も連れて行ってもらって見た映画なので、本当に一緒に行ってくれた人には感謝感激です!
こんな映画に出逢えることもなかなかないし、もっとたくさんの人に伝えなきゃと思いました!